ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Suzanne Langilleのヴォーカルに絡むNeel Murgaiのパーカッション、喉歌ヴォイスがスピリチュアルに鳴り響くエクスペリメンタル・ブルース!

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 Photo by Mari Tanaka

NYの孤高ギタリストLoren Connorsのパートナーとして知られる女性ヴォーカリストSuzanne Langille。80年代後半よりLoren Connorsと共に活動を行っています。一方、Neel Murgaiはラーガ音楽に影響を受けてBrooklyn Raga Massiveという音楽集団を結成したマルチ・インストゥルメンタル奏者です。90年代後半には、Loren ConnorsとSuzanne LangilleのバンドHaunted Houseにも参加していました。今回、2人の10年振りとなるコラボレーション・アルバム「Come When The Raven Calls」がリリースされました。

 

Suzanne Langille & Neel Murgai / Come When The Raven Calls

Come When The Raven Calls | Suzanne Langille & Neel Murgai | Suzanne  Langille

本作はSuzanne Langilleの妹でブルース歌手でもあった故Laurette Langilleの曲も1曲歌っています。レクイエムといった雰囲気を醸し出しながら、Suzanne Langilleの恍惚とした悲しみと怒りを歌に託している。これまでに無く歌と真摯に向き合っている気がする。ブルースのスピリットを巧く取り込んで、後半は生き残るためへと導いています。ラスト9曲目「If You Can Wake」は40秒ほどのヴォーカルのみの曲です。この曲の最後をDawn Is Coming Soonと締めくくっています。歌詞を収録しているのも、そこが重要だと思ったのでしょうね。

 

Suzanne Langilleのヴォーカルに絡むバック演奏は、Neel Murgaiの民族打楽器ペルシャ・ダフを中心としたトランシーなパーカッション、喉歌ヴォイスのみです。この必要最小限の音によるプリミティヴなアプローチが、スピリチュアルに鳴り響くエクスペリメンタル・ブルース!といった感じで、Suzanne Langilleのメッセージがより強固に伝わってきます。Neel Murgaiの音楽的センスも感じられる素晴らしい1枚です。

 


 

 

Leonore Boulangerのおもちゃ箱をひっくり返したような不思議な世界

Léonore Boulanger | ディスコグラフィー | Discogs

舞台音楽、実験音楽ペルシャ音楽などを学んでいたフランスの女性シンガーLeonore Boulanger。彼女の2019年にフランスの先鋭的なサウンドを奏でるレーベルLe Sauleからリリースされた4作目「Practice Chanter」をピックアップします。

 

Leonore Boulanger / Practice Chanter

「聖歌の練習」と題された本作は、民族音楽や現代音楽、シャンソンなどをミックスしてエクスペリメンタルに鳴り響くアヴァン・ポップ。ギター、トイピアノ、サックス、ハルモニウム、パラフォン、ンゴニ、マウスハープといった多彩な楽器なども駆使し、擬声語や日本語までも持ち出してきています。これらの要素をカット&ペーストして、モザイクアート的なサウンドの組み立てと壊しを交互に行いながら心に染みこんでくる傑作。まさに、おもちゃ箱をひっくり返したような不思議な世界。変幻自在のヴォーカルとサウンドに魅了されています。遊び心がいっぱいの素晴らしいアルバムです。

 

このサウンドを支えているのが、Jean-Daniel Botta、Laurent Sérièsの2人であります。この2人に加えてレーベルメイトであるBégayerのLoup Ubertoなどのゲストが参加しています。特にJean-Daniel Bottaはデビュー時からの付き合いで、ファースト、セカンドは彼の作曲した曲をLeonore Boulangeが歌うことから始まっています。前作あたりから曲作りにも参加しているようです。これまでのフォーキーな雰囲気でヴォーカルを聴かせるのも素晴らしいです。ただ、彼女が積極的に曲作りに参加して自由な発想から生み出された「Practice Chanter」の方がより刺激的に感じてしまった。

 

 

 

2020年10月のディスカホリック

フィジカルメディアに拘って音楽はスピーカーから聴けよ!と言っている私は、完全に時代遅れなのでしょう(笑)。ただ、近年のレコードやカセットの復活のように、手間暇掛けて音楽を聴く方々も多くいますから、一回りしたら元に戻るかも知れませんね。ただ、MDの復活はないと思うが。

一応、5年前にガラ携からi Phoneに換えたけど、これも結構遅かった。その時はスマホに色々とリッピングしたけど、今は殆どやっていない。イヤホンで音楽を聴くことに馴染めなかったことが大きい。DLオンリーの音源はPCにリッピングしてCDRに落としている。こんな古典的な奴もいるのですよ。リンクした記事にも書いているように、今の子供たちの、さらにまた子供たちの、さらにまた子供たち……いったいどんなふうに音楽を聞いているんでしょうね。自分は変れないでしょうけど。

 

2020年10月のディスカホリックは15タイトルの購入実績でした。エッセンシャルワーカーとして働く身としては、休日でも何処にも出掛ける気になれず、色々と買ってしまうのです。今月は国内での注文が多いが、海外の注文は場所によるけど、届くまで再び1ヶ月以上掛かる状況になっている。

 

Alexandre Bazin / Oceans、Dream-Land(Cassette) 購入先Amazon.co.jp 購入価格1,976円

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今月の記事で取り上げました。 


 

Ulaan Passerine / Crow、Olive(7inch Vinyl) 購入先Samaritan Press 購入価格$45.00(4,994円)

 Ulaan Passerine : Crow / Olive - Samaritan Press 

Steven R. Smithの変名ユニットUlaan Passerineの新作7インチ。アート・デザイナーDavid V. D'Andreaとのコラボレーションです。David V. D'Andreaのサイトより購入。本人のメッセージ・カード2枚も入っていました。Steven R. SmithのBandcampでのアップは、まだなので早くアップして欲しい!


 

Suzanne Langille & Neel Murgai / Come When The Raven Calls(Vinyl) 購入先ディスクユニオン・オンライン 購入価格2,970円

Loren Connorsのパートナーとして知られる女性ヴォーカリストSuzanne Langilleとラーガ音楽に影響を受けて活動しているマルチ奏者Neel Murgaiによる10年振りのコラボレーションアルバム。Suzanne Langilleのヴォーカルに絡むNeel Murgaiの喉歌ヴォイス、パーカッションがスピリチュアルに鳴り響くエクスペリメンタル・ブルース!

  

 

Roy Montgomery、Emma Johnston / After Nietzsche(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格1,486円

ニュージランドの伝説的ギタリストRoy Montgomeryとこれまでも彼のアルバムにゲスト参加していたヴォーカリストEmma Johnstonによる2019年リリースのコラボレーション・アルバム。幻想的なギター・サウンドに絡むウイスパー・ヴォーカルが華麗に鳴り響く。 

 

 

Jana Irmert / Flood(Cassette) 購入先購入先Amazon.co.jp 購入価格1,976円

Jana Irmert - Flood - Cassette – Imprec

ベルリンのエレクトロアコースティック・アーティストJana Irmertの2018年リリースの2作目。今回カセットでリイシューされました。フィールドレコーディングにドローンを絡めたアンビエント・ミュージック。

 

 

Sunburned Hand of the Manの3作品

Sunburned Hand of the Man / The Mylar Tantrum Part II(CDR) 購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$14.00(1,541円)

 

2006年に録音された映画「Invasionof Thunderbolt Pagoda」サウンドトラックの代替え未発表テイク2曲を新作としてリリース。

 

Sunburned Hand Of The Man / Fire Escape(CDR) 購入先Art into Life 購入価格1,177円

2007年にリリースされた彼らの傑作です。持っているけど、何処にあるのか分らないので購入しました。

 

Sunburned Hand Of The Man / Silence Of Color(CDR) 購入先Art into Life 購入価格1,177円

 

2009年自身のレーベルManhandよりリリース。流石にこれは持っていませんでした。まだ、在庫があったとはね。

 

 

Smegmaの3作品 

Smegma & Black Leather Jesus / Smegma Vs. Black Leather Jesus(Vinyl) 購入先Art into Life 購入価格2,717円

Smegma Vs. Black Leather Jesusアルバムカバー

2017年リリースのLAFMS系の中心バンドSmegmaと89年より活動しているノイズ集団Black Leather Jesusによるコラボレーション・アルバム。

 

Smegma / Son Of Geek(Cassette) 購入先Art into Life 購入価格1,287円

 

Smegmaの中心メンバーJu Suk Reet Meateが主宰するPigface Recordsの2017年リリースのカセット。73年~75年という最初期の音源3曲を収録。

http://a-i-l.ciao.jp/PigfaceRecords030.mp3

 

Smegma / The Pigface Tape 1974(Cassette) 購入先Art into Life 購入価格1,287円

同じくPigface Recordsの2014年リリースのカセット。Smegmaの活動40周年を記念しての初期音源。初期の方がブルースやジャズの影響をストレートに反映されているのも面白い。

http://a-i-l.ciao.jp/PigfaceRecords022.mp3

 

 

John Duncan / PANIC @11000 FEET(Vinyl) 購入先Art into Life 購入価格3,157円

 

ノイズからインスタレーション、そしてヴォーカル物までも手掛ける実験音楽家John Duncan。ベルギーのレーベルMatiere Memoireがセレクトした20人のアーティストに20分の曲とアートワークを依頼、LPレコードの片面に曲、もう片面にアートワークをレーザー彫刻で刻むヴァイナル・シリーズMMXXの第2弾としてリリース。

 

 

Eleh / Living Space(CD) 購入先Art into Life 購入価格1,947円

John Brien, Jr.によるミニマル・アナログシンセ・プロジェクトElehの2019年アルバム。ジョン・コルトレーンのスピリットからインスパイアされた本作は、メディテーショナルなアンビエント・ドローンサウンドで安らぎの世界へと導いてくれます。 

 

 

Alan Licht / Sink The Aging Process(Vinyl) 購入先Art into Life 購入価格2,937円

Alan Lichtの1994年にリリースした1stソロ・アルバム。 

 

 

Dead C / Unknowns(CD) 購入先Amazon.co.jp 購入価格1,274円

 

ニュージーランドのノイズ・エクスペリメンタル・バンドThe Dead Cの新作。


 

Arnold Dreyblattの90年代未発表アーカイヴ音源集「Star Trap」、チンドン屋みたいな雰囲気のサウンドが最高にかっこいい!!

Arnold Dreyblatt lyrics | Musixmatch - Song Lyrics and Translations

「70年代のニューヨークのダウンタウンから現れた最もロックンロールな作曲家」と称されていたArnold Dreyblatt。Pauline Oliveros、La Monte Young、Alvin Lucierといった巨匠の下で音楽を学んで、エクスペリメンタルでアヴァンギャルドな音楽を展開。1984年よりドイツのベルリンを拠点に活動しています。彼の90年代の未発表アーカイヴ音源集がリリースされました。

 

Arnold Dreyblatt / Star Trap

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本作はOren Ambarchi主宰のBlack TruffleからVinylオンリーでリリース。Arnold Dreyblattのソロ・パフォーマンスではなく、彼の作曲した曲を演奏するグループOrchestra Of Excited Stringsによる全6曲を収録しています。弦楽器、管楽器に独特なリズムを醸し出しているパーカッションが絡んでいます。さらに民族楽器なども駆使して異色のグルーヴ感で曲を盛り上げて来ます。Arnold Dreyblatt & The Orchestra of Excited Stringsのアルバムは色々と聴いてきた私ですが、これまでの華麗に鳴り響かせていたのと比べると、いい意味での「チンドン屋みたいな雰囲気」をサウンドに感じてしまった。音の塊がファンキーでカオスティックに攻め込んでくる弦楽オーケストラに嵌っています。最高にかっこいい!!

 

91年、93年、97年の3カ所でのスタジオ・ライブ音源の寄せ集めですが、意外と統一感もあります。時代背景を考えるとオルタナティヴ、ポストロックといった当時の新たなる動向に対するArnold Dreyblattの回答が込めらているように思う。その趣旨に合わせて選曲された感じがする。さらに、今回は単なる未発表音源ではなくアーカイヴという観点で、Bang On A Canのアルバム「Renegade Heaven」にオリジナルとして書かれた「Escalator」、90年代の実験音楽レーベルとして名高いTable Of The ElementsのVarious盤「 A Field Guide To Table Of The Elements - Southeastern Edition」の「Star Trap」なども The Orchestra of Excited Stringsにて再構築して収録されています。

 

これらの音源をベルリンの音響職人Kassian Troyerがダブプレートとマスタリングを担当し、カヴァー・デザインをノルウェーのノイズ・エクスペリメンタル系のミュージシャンLasse Marhaugが行っているのも興味深い。

 

 

 

 

Arnold Dreyblattについては、過去にこんな記事も書いています。


 

カセットテープ専門レーベル「Cassauna」より、GRMのメンバーでもあるAlexandre Bazin の作品がリリース!

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Alexandre BazinはGRMのメンバーであり、2008年頃より音楽活動を行っています。このGRMというのはGroupe De Recherches Musicalesの略称で1958年にPierre Schaefferにより創設されたフランスの電子音楽に関わる音楽研究グループです。Luc FerrariIannis XenakisなどもこのGRMに関わっていました。

 

今回、Important Recordsのカセットテープ専門レーベル「Cassauna」よりAlexandre Bazinの新作がリリース。このことで彼の存在を知ることになりました。今のニューエイジ・ミュージックにも繫がる作品なので紹介したいと思う。

 

Alexandre Bazin / Oceans、Dream-Land

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A面は4パートによるOceansとThe Deserterの2曲構成。マリンバ、ピアノ、ブックラ・シンセ、オルガンで奏でるミニマルでアンビエントな世界。Orchestre Philharmonique De Radio FranceのパーカッショニストGabriel Benloloがマリンバで参加しています。曲のタイトルにあるように海の鼓動やうねりをイメージしてサウンド構築した感じです。Alexandre Bazinが影響を受けたライヒ、サティー、イーノの要素を巧く纏め上げています。

 

B面は詩人エドガー・アラン・ポーにインスピレーションを受けた4パートによるDream-Landの1曲構成。フィールドレコーディングも絡めて幻想的に鳴り響いています。真冬の嵐が来ている時にフランス、ランド地方の浜辺で録音されたとのこと。これまでのGRMが築き上げてきた実験的なエレクトロ・アコースティックな世界を披露しています。

 

本作はこの2つの世界を統合させた作品です。両方とも自然に対する神秘的な思いや雰囲気なども伝えています。35分にも満たない収録時間ですが、Alexandre Bazinの音楽性が凝縮されていて素晴らしいです。

 

 

 

 

カセットテープ専門レーベル「Cassauna」の作品について、これまでも個別に取り上げています。今後も注目していくしかないですね。


 

2020年9月のディスカホリック

今月Family Fodderの記事を書いた後に、中心メンバーのAlig FodderからFacebookの友人リクエストを頂きました。英語力がないので翻訳ソフトでの英文ですが、メッセンジャーにてサンクス・メールを送った。返信が戻ってきた時に、私がGongファンであること確認したらしく、それならShankara Andy Boleに友人リクエストした方が良いよと回答が来た。確認してみるとDaevid Allen's Glissando Guitar Orchestraのメンバーで、私の友人も何人か友人になっていました。すぐに友人リクエストを行い承認して貰いました。もの凄く嬉しいです。

 

今月のディスカホリックは16作品の購入実績でした。Bandcampでの購入が多いです。Bandcampはアーティストが絡んでいることもあるので、本人から直接メッセージ・カードなどが入ったりもします。ちょっとしたことですが、有難いです。

  

Marion Cousin & Kaumwald / Tu Rabo Par'Abanico(CD) 購入先Les Disques du Festival Permanent Bandcamp 購入価格€16.50(2,181円)

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 今月の記事で取り上げています。


 

Family Fodderの3作品

Family Fodder / More Great Hits(CD) 購入先Amazon.co.jp(Rarewaves-jp) 購入価格2,255円

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Family Fodder / Foreverandever + Sex Works(CD) 購入先Amazon.co.jp(Rarewaves-jp) 購入価格1,955円

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Family Fodder / Easy Listening (Not) (CD) 購入先Family Fodder Bandcamp  購入価格$12.00(1,327円)

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3作品纏めて、今月の記事で取り上げています。


 

Maserati / Enter The Mirror(CD) 購入先Amazon.co.jp(Rarewaves-jp) 購入価格2,097円

 

ジョージア州アセンズ出身のバンドMaserati。バンドとして結成20年目を迎えた、5年振り新作。よりパワフルになった感じです。

 

 

Christoph Heemann絡みの2作品

Mirror / Some Days It Rains All Night(Vinyl) 購入先Art Into Life 購入価格3,043円

 

Andrew ChalkとChristoph Heemannによるエクスペリメンタル・ユニットMirrorの15年振りの新作。

Mirror: Some Days It Rains All Night - La Scie Dorée

  

In Camera / Lost In Spice(Vinyl) 購入先Art Into Life 購入価格3,043円

 

Christoph HeemannとTimo van Luijkによるエクスペリメンタル・ユニットIn Cameraの4年振りの新作。

 

 

Manuel Zurria / Again & Again(2CD) 購入先Art Into Life 購入価格2,812円

 

イタリアのフルート奏者Manuel Zurriaによるミニマル・プロジェクトによる新作。Philip Glass、Terry Riley、Steve Reichの曲も奏でています。

 

  

Sunburned Hand Of The Man / Covered in Mud(Cassette) 購入先Stoned To Death Bandcamp 購入価格€10.00 (1,322円)

Sunburned Hand Of The Manの新作。今年3月にデジタルでアップしていたが、カセットでもリリースされました。

 

 

John Duncan / Bitter Earth(CD) 購入先Los Apson? 購入価格2,180円

 

2016年リリースのVinyl盤「Bitter Earth」と7インチ「This Bitter Earth」をカップリングしてCDとしてリイシュー。ノイズ系のイメージがあるJohn Duncanですが、渋いヴォーカル・アルバムです。

 

 

Ulaan Janthina(Part 1)(Cassette) 購入先Worstward Recordings Bandcamp 購入価格$24.00(2,652円)

 

Steven R. Smithの新たなるユニットUlaan Janthina。彼の場合、様々なユニットでアルバムをリリースしているが、Hala Stranaに近い感じ。間もなくPartⅡもリリース予定です。パッケージが素晴らしい!

 

 

Neil Campbellの新作2作品

Neil Campbell / Perimeter Ghost Bloom(10inch Vinyl + CDR) 購入先Neil Campbell Bandcamp 購入価格£23.00(3,420円)

 

 アコースティックを中心としたアンビエント作品。 

  

Neil Campbell / In Fort Banal, through Port Dismal(CDR) 購入先Neil Campbell Bandcamp 購入価格£10.00(1,487円)

1曲43分越えのエクスペリメンタル作品。

 

 

Old Million Eye / Now Land(CDR+BOOK) 購入先Old Million Eye Bandcamp 購入価格$36.00(3,994円)

 

Dire Wolves、ベーシストBrian Lucasソロ名義ユニットOld Million Eyeの新作。彼のイラストを纏めたBookもセットになっています。

 

 

Astatine(Stéphane Recrosio)の2作品

Astatine / Honey girl pandemia(Cassette) 購入先Astatine Bandcamp 購入価格€17.00(2,238円)

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カセット音源による新作。 

 

Acetate Zero / Live 2001(Cassette) 購入先Astatine Bandcamp 購入価格€12.00(1,579円)

 

Astatine(Stéphane Recrosio)が中心メンバーとして参加していたAcetate Zeroの2001年のライブ音源。

 

 

 

英国アンダーグランドのポスト・パンク・バンドFamily Fodderのへんてこりんなストレンジ・ポップとは

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英国アンダーグランドのポスト・パンク・バンドFamily Fodder。名前は知っていたが、しっかりと聴いたことが無かったのであります。今回、Twitterのフォロワーさんが、彼らのBandcampを紹介していたので聴いてみたら嵌ってしまった。Alig Fodderを中心として1979年にデビューします。男女がかわるがわるにヴォーカルをとりながら、様々な要素を駆使してハチャメチャでユーモラスに鳴り響く。まさにへんてこりんなストレンジ・ポップを展開していました。Alig Fodderは、The Lo Yo Yo、Johnny Human、Vox Humana、Idol Fodder、などの派生バンドでの活動も行いつつ、今現在もFamily Fodderとして活動していたのです。今回、Family FodderのCDを3タイトルも購入してしまったので、紹介したいと思う。

 

Family Fodder / More Great Hits!

2008年リリースの2枚組ベスト盤です。ミニ・アルバム「Sunday Girls」(1979年リリース)より5曲、「Monkey Banana Kitchen」(1980年リリース)より10曲、ミニ・アルバム「ScHiZoPhReNiA pArTy !」(1981年リリース)より4曲、再集結したアルバム「Water Shed」(2000年リリース)からも4曲、そして、これまでリリースされた7インチシングルや未発表音源を含めて全42曲を収録しています。最初はFamily Fodderの最高傑作とされている「Monkey Banana Kitchen」を買おうと思っていたが、圧倒的なボリューム感で彼らの魅力を余すことなく伝えてくれる本作にしました。

 

ポスト・パンクをベースにレゲエ、ダブなどの要素も絡めて自由奔放に面白おかしく攻め込んで来ます。ブロンディーやエリック・サティーのカヴァー曲を含めて、どこまで本気なのか?悪ふざけなのか?その辺りをオブラートに包み込みチープでキャッチーなサウンドです。女性ヴォーカルDominique Levillainの様々な表情を醸し出す歌い方も刺激的で存在感を示しています。This HeatのCharles BullenやThe WorkのMick Hobbs、Rick Wilsonといったレコメン系のゲストも参加しています。混沌としていながらもアットホーム的な雰囲気も感じる初期のFamily Fodderです。

Family Fodderは80年代前半で活動を停止します。2000年に同窓会的に再集結してリリースされたアルバムが「Water Shed」です。その後、2010年に活動を再開します。その時はDominique Levillainの娘Darlini Singh-KaulをフィーチャーしてFamily Fodderのアルバム制作を行っていました。Alig FodderはDarlini Singh-KaulとのユニットIdol Fodderとしてミニ・アルバムも残しています。

 

次に紹介するのはFamily Fodderとして活動していなかった時に関係するアルバムです。

Family Fodder / Foreverandever + Sex Works

2016年にEP盤「Sex Works」と、それをカップリングした「Foreverandever+Sex Works」がリリースされました。元々ForeverandeverはAlig Fodderのソロ名義の派生バンドJohnny Humanが1996年にリリースしたアルバムです。そのアルバムにこれも派生バンドVox Humanaの曲を追加してFamily Fodderとして新たにリイシューしました。Alig FodderとViv Dogan Corringhamの男女混声のヴォーカルを駆使してカラフルに鳴り響かせています。一方「Sex Works」は新たにBee Ororoをヴォーカルとして起用した新曲と80年代の代表曲「Dinosaur Sex」の別ヴァーションなど3曲を収録しています。アルバム全体の印象としては、メローな曲はよりメローに、パンキッシュな曲は奇をてらわずにストレートに真っ向勝負しています。素晴らしいアルバムです。

「Foreverandever + Sex Works」は、まだBandcampにアップされていませんでした。販売権の関係でしょうかね? 尚、初期のアルバムは今年になってからアップされたようです。デジタルはすべて「価格を決めて下さい」になっているので、結構太っ腹です。唯一CDでの販売のあった「Easy Listening (Not)」をBandcampで購入。12ドルで送料を取っていなかったので、以外と安く買うことが出来ました。オーダー後にAlig Fodder本人からサンクス・メールも頂きました。嬉しいですね。

 

Family Fodder / Easy Listening (Not)

2018年リリースされた今のところの最新作。定番となっている女性ヴォーカルは本作でも健在です。2010年よりFamily Fodderに参加しているMae KarthauserとAlig Fodderによるデュオ・アルバムです。よりシンプルに2人のヴォーカルが堪能出来ます。時代と共にサウンドは変化しても、Family Fodderとして女性ヴォーカルの存在は今後も変らないと確信出来ますね。