ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

南米のワニの名をもじった怪しいバンド名Clan Caimanによる、架空の部族の奏でる音楽を空想し、あるはずの無い秘境に流れる音楽とは。

「Panorámico」(2007)と「Estrambótico」(2012)の2枚のソロ・アルバムでアルゼンチン音楽の新世代音響派のキーマンとして注目されてきたマルチ・インストゥルメンタリスト作家Emilio Haro。その彼が新たなるバンドClan Caiman(カイマン族)を結成してデビュー・アルバムをリリースしました。南米のワニの名をもじった怪しいバンド名による、架空の部族の奏でる音楽を空想し、あるはずの無い秘境に流れる音楽というコンセプトで作られています。このアルバムをリリースしたのが、何と日本のレーベルEM Recordsであります。

 

Clan Caiman(カイマン族)

 

Emilio Haroの奏でるカリンバを改造したカリンバフォンという自作楽器を中核に据え、ラップ・スティール、バリトン・ギターなどを駆使した5人編成のバンドです。エキゾチックでメローかつミニマルに鳴り響く幻想的な世界。静なる叙情性をもって心地よく鳴り響きます。これがワニ族による秘境に流れる音楽の正体でした。ポストロック的な音響感を醸し出しながら桃源郷へと導いてくれます。時間を忘れてエンドレスに聴き入ってしまう魅惑の1枚です。現在、Clan Caimanは色々とライブを行っています。日本にも来て欲しいですね。