カナダのトロントを拠点に活動しているGreg Jarvis率いるThe Flowers Of Hell。The Velvet UndergroundやSpacemen 3の影響を受けつつも自分達のオリジナリティーを追求してきたバンドです。2006年のデビュー時は6人編成であったが、ホーンやストリングスなどのメンバーを増やして総勢16名の大バンドに成っていたこともあります。初期2作のサイケデリックでスペーシーなサウンドからホーンやストリングスを絡めたサード・アルバム。そして、カヴァー曲で作り上げたアルバムを経て、前作のネオ・クラシック・アルバムまで様々な変遷をたどって現在に至っています。本日は、彼らの6作目となる新作CDがリリースされたので紹介したいと思う。
The Flowers Of Hell / Outlanders
本作は新曲も含めて、過去のアルバム曲のヴァージョン変更やミックス音源、カヴァー曲によるライブ音源を中心に収録されています。The Flowers Of Hellの集大成といったコンピレーション盤です。スリーブのクレジットを確認すると、ファースト・アルバムの“Opt Out”(Edit)には元Spacemen 3のWill Carruthers、セカンド・アルバムの”White Out“ (Full Version)には昨年2月に亡くなった元Patti Smith GroupのIvan Kralの名前が記載してあることを今頃になって確認してしまった。さらに、元Spacemen 3のSterling Roswell が2020年のロックダウン直前のロンドンでのライブ音源で、ドラマーとしてTake Me To The Other Sideを演奏しています。正直なところ、Sterling Roswellがミュージシャンとして活動していたことに驚いてしまった。こうした人選が出来るのもGreg Jarvisの人徳のなせる業なのでしょうね。
BandcampでこのCDを注文した時にGreg Jarvis本人よりコロナで直ぐに出荷出来ないとメールを頂き、何回かメールのやりとも行った私です。コロナなんかに負けてたまるかといった彼のメッセージも込められている気がする。初めてThe Flowers Of Hellを聴く方にとっては最適の1枚であることは言うまでもありません。デビュー時からフォローしてきた私にとっても充分に楽しむことが出来ました。