ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

GongおよびDaevid Allenの好きなアルバム10選

Daevid Allen obituary | Pop and rock | The Guardian

はてなブログ10周年企画として、前回の記事で特別お題キャンペーン「はてなブロガーに10の質問」に答えてみました。今回も特別お題キャンペーンとして上がっている「好きな◯◯10選」にチャレンジします。音楽ブログなので、自分のはてなid “hiroshi-gong” にもなっているGongおよびDaevid Allenについて書きます。

 

Gongの創設者であるオーストラリア出身のDaevid Allen(1938-2015)は、1961年よりイギリスに住んでいて1966年に結成されたSoft Machineのメンバーでした。ヨーロッパツアーの後、イギリスへ戻ろうとした時に入国許可が下りずバンドから離脱(ビザの期限切れが理由となっているけどね)。最後のツアー地であったフランスでパートナーであったGilli Smyth(1933-2016)と1969年にGongを結成。1975年にDaevid AllenとGilli Smythが、音楽的にあまりにも複雑になりすぎたことを嫌って脱退。残ったメンバーがGongを継続したことで、様々なGong派生バンドが生まれました。これがGongを複雑で分かりづらくしたけど、面白さを倍増してくれたのも確かです。

 

80年代中頃からオーストラリアで隠居生活をしていたDaevid Allenは、 1990年にGong本体を再始動。その後、過去に確執のあったメンバーとも交流してGongを継続させて行きます。90年中頃には全てのGongはみな家族であると言った発言からGong Familyなる言葉も生まれます。Daevid Allenは2015年に病気で亡くなる直前まで精力的に活動を行っていました。GongはDaevid Allenの遺志を受けて現在も活動中です。

 

“GongおよびDaevid Allenの好きなアルバム10選” を書くにあたって、リリース量が多いので何を選ぶか悩むところであります。あえて70年代黄金期のRadio Gnome Invisible 3部作 Flying Teapot、Angel's Egg、Youは外しました。3部作以外にも素晴らしいアルバムがたくさんあることを知って貰いたいと思う。このブログでも取り上げたのもあります。アルバムの詳細などは、その記事を参考にして頂くと有難いです。

 

1. Gong / The Universe Also Collapses(2019年リリース)

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Daevid Allenの遺志を継いでバンドを継続させた新生Gongのセカンドアルバム。歴史ある伝説バンドを継続させる難しさ、そのプレッシャーをはね除けて、各メンバーの力量がしっかりと反映された素晴らしいアルバムです。

 

 

2. Gong / I See You(2014年リリース)

I See You album cover

Daevid Allenが参加したGongのラストアルバム。前作「2032」の様にSteve HillageやMiquette Giraudy、そしてMike Howlettは居ないけど、これはまさしくGongそしてDaevid Allenの集大成とも言えるアルバムです。

 

 

3. Gong / 2032(2009年リリース)

70年代黄金期のメンバーであったSteve Hillage、 Miquette Giraudy、Mike Howlettが参加。70年代のRadio Gnome Invisibleの3部作から続く「見えないラジオの精」の物語の最終章である。見えない惑星ゴングから地球にスパイを送り込んでいるが、戦争やテロリストたちによって地球が変わってしまった。今の地球を好きになれないので、一度惑星ゴングに様子を見るために戻るとのこと。ただ、2032年に惑星ゴングの存在を地球の天文学者が認知した時に、再び、私たちの為に戻ってくるということである。自分の心の中を本当に見たいと思ったら、見つけた扉は全て開けるんだ!とメッセージを発して、最後は、Goodbyeで終わるという。まさに自己陶酔の妄想集団Gongに相応しいアルバムです。リリースした2009年にはフジロックにも出演しています。

 

 

4. Daevid Allen Weird Quartet / Elevenses(2016年リリース)

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Daevid Allenも参加しているバンドWeird Biscuit Teatimeのセカンドアルバムとしてリリース予定であったが、Daevid Allenが亡くなった為、Daevid Allen Weird Quartetにバンド名を変更してのリリース。


 

5, Daevid Allen / Soundbites 4 tha revelation(2012年リリース)

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Daevid Allenの雄叫びMCで始まり、語りかけるヴォーカル曲、ジャズやヒップホップの展開、そしてポエムの朗読など。Daevid Allenのヴォーカル、またはヴォイスを色々な角度から検証したアルバム。


 

6. University Of Errors / Jet Propelled Photographs(2004年リリース)

Daevid Allenがアメリカを拠点とするミュージシャン達と組んだバンドUniversity Of Errorsの4作目。80年代にリリースされた Soft MachineのDaevid Allen在籍時のデモ音源、アーカイブ音源を纏めたアルバム “Jet-Propelled Photographs” のリメイク盤です。追加収録も含めて全13曲収録です。Save Yourself、Hope For Happinessなど、Soft Machineのオリジナル曲と聴き比べてみてください。

 

 

7. Brainville / The Children's Crusade(1999年リリース)

BrainvilleはDaevid Allen、Hugh Hopperと交流のあったKramerの発案によって企画されたプロジェクトであった。そこにPip Pyleが参加したカンタベリー・スーパー・バンド。Kramer主導によって制作された唯一のスタジオ盤が ”The Children's Crusade” です。このアルバムリリース後のワールド・ツアー前にKramerとHugh Hopperが衝突、そしてKramerとPip Pyleが脱退。Daevid Allen、Hugh Hopperの2人は急遽、Chris Cutlerを迎えたが、Kramer色の強いBrainvilleを名乗る必要もなくなったのである。99年の夏に日本で、この3人がライブを行なった時、Gong Trioと呼ばれた。色々あると思うが、あの時期にDaevid Allen、Hugh Hopperを結びつけたということにおいては、Kramerの果たした役割は大きいと思う。


 

8. Brainville 3 / Trial By Headline(2008年リリース)


BrainvilleでKramerとのゴタゴタがあった後、2006年あたりからDaevid Allen、Hugh Hopperの2人は、再びChris Cutlerを加えてライブセッションを行っていた。その際にBrainville 3を名乗っていた。その頃のライブ音源を纏めたのが “Trial By Headline” です。Hugh Hopperは2度とKramerとは一緒にやりたくないと豪語していたが、Daevid AllenとKramerの共作による “Who's Afraid?” も収録されています。


 

9. You Me & Us / Poesy At Play(2014年リリース)

ロンドン在住のYumi Hara、Chris Cutler、Daevid AllenによるYou Me&Us。2013年に日本でライブを行い、2014年もライブを行う予定だったが、直前になってDaevid Allenの急病で来日が出来なくなった。しかし、Daevid Allenのツアーを行なって欲しいという強い希望で、Yumi HaraとChris Cutlerは「Get Well Soon、Daevid」をテーマにツアーを行なったのでありました。自分のプロフィール写真のメッセージは「Get Well Soon、Daevid」であり、札幌公演の時に主催側がDaevidに送る為に撮って頂いたものです。”Poesy At Play” のCDは物販での先行販売だったので、その時に購入しました。音源がネットで公開されていないので、ライブ映像をアップします。

 

 

10. Gong Expresso / Decadence(2018年リリース)

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Gongのアルバムタイトルを名前にしたバンドです。Daevid Allenと接点があったか分らないが、彼らもGong Familyの一員です。Daevid Allenが脱退した後のGong、そして、その後Pierre Moerlen's GongのメンバーであったHansford Rowe、Benoit Moerlen、François Causseに新たなるギタリストJulien Sandifordが参加して結成されたGong Expressoの2018年リリースのファースト・アルバム。バンド名からしてもPierre Moerlen's Gongの流れを継ぐジャズテイスト満載の内容です。Pierre Moerlenも天国から喜んでいるにちがいない。