ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Steven R. Smithの変名ユニットによる2つの新作

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様々な変名ユニットを駆使して活動しているSteven R. Smith。このブログでも多く取り上げており、昨年の年間アルバム・ベストNo.1にUlaan Passerine ”Sun Spar” を選出している。今回、早くもUlaan Passerineの新作が2月に、そして3月にはUlaan Kholの新作もリリースされました。本日はこの2つの新作を取り上げたいと思う。それにしても、Steven R. Smithの制作意欲は、とどまることを知らないようですね。

 

Ulaan Passerine / Dawn(Vinyl)

Ulaan Passerineは管弦楽器なども多く活用してポストロックやフォークを奏でてきました。“Dawn” はUlaan Passerineの8作目で自身のレーベルWorstward Recordingsよりレコードでリリース。Steven R. Smithのギター、オルガン、ベースなどマルチプレヤーとして根幹となるサウンドを構築。そこにホーン セクションが絡むポストロック的な仕上がりとなっている。参加メンバーはFilippo Tramontana(フレンチ ホルン)、Mateusz Pisulak(クラリネット)、João Sousa(トランペット)、Angela Schleihauf(イングリッシュ ホルン)で、Nathan Moodyがマスタリングを担当。Filippo TramontanaとNathan Moodyの2人は、前作 ”Sun Spar” にも同じ役割で参加していた。

 

大傑作となった前作 ”Sun Spar” が、昔のバンド時代の仲間であるGlenn Donaldson、Brian Lucasらが参加したことで、アンサンブルを重視したバンド・サウンドになっていた。それに対して本作は、本来のSteven R. Smith色を打ち出してきた。元々すべて自分で行うのが、彼の流儀であった。そのことでSteven R. Smithを孤高のギタリストと呼んでいた私です。今回のホーン セクションを個々の専任ミュージシャンに任せることで、これまでにない彩りと繊細さをもたらしている。各メンバーのさり気ない音のテクスチャーが、自らが行うよりも余裕を持って自分らしさを追求した1枚となっている。”Sun Spar” とは異なる素晴らしさを感じてしまった。

 

Ulaan Khol / Milk Thistle(Cassette)

Ulaan Kholはノイズ・ギタードローンに特化した変名ユニットです。”Milk Thistle” は4年ぶりとなるUlaan Khol の8作目で、フランスのレーベルDesastreより限定100本のカセットでリリース。発売当初よりWorstward Recordingsでの販売はデジタルのみで、フィジカルはDesastreより購入して欲しいとSteven R. Smithはインスタグラムで発言していた。本国アメリカの送料が高いので、フランスのDesastreの方が安いとも書いてあった。Worstward RecordingsでUlaan Passerine “Dawn” と一緒に購入する予定でいたが、慌ててDesastreより購入した。購入直後に販売終了のサインが出たので、タイミングよく購入出来たことにホッとした。ただ、届くまでに1ヶ月半掛かってしまった。

 

轟音ノイズとサイケを組み合わせたサウンドをSteven R. Smith1人で作り上げ、プロデュースはリリース元DesastreのオーナーVincent Mareが行っています。Desastreのライナーでは日本のWh​​ite Heaven、裸のラリーズ、そしてドイツのPopol Vuhが引き合いに出されています。Ulaan Kholのサウンドはライブ映えすると思うが、未だにSteven R. Smithにライブ活動を行う兆しが見られていないのが残念ですね。

 

現在、Steven R. SmithはGlenn Donaldson、Brian Lucasとのコラボレーション・ユニット43 Odesの新作を手掛けている。ミックスを行っているので最終段階に入っているのかな?もの凄く楽しみです!

 

 

これまで取り上げてきたSteven R. Smithの記事です。