Jason Pierce率いるロックバンドSpiritualizedのメンバーでもあり、Ashley WalesとのデュオSpring Heel Jackとして電子音楽を中心に様々な音楽を奏でているマルチプレーヤーJohn Coxon。ソロ活動としては、Eddie PrevostやEvan Parker、Alex Wardら様々な即興音楽家とのコラボレーションも行ってきました。そんな状況の中、Ashley Walesと2人で立ち上げたレーベルTreaderより、昨年11月にJohn Coxon単独名義としての初ソロ・アルバム ”Real Magic Vol.1” をリリースしました。
John Coxon / Real Magic Vol.1
本作はパーカッション、ギター、ターンテーブルとCDJといった最小限の楽器を使用して2021年に録音されており、限られた時間と空間のなかで1年をかけて制作されている。ナンバリングされたRM#の曲タイトルからは、統一感というよりも、日々の創作プロセスを記録した日記的な作品と捉えているようです。その時々での自由奔放なアイディアを演奏に取り込んでいる。
アルバム前半はベル音やトライアングル、カリンバなど使ってのパーカッシブなサウンドにターンテーブルとCDJといった機材から醸し出される音を組み合させた展開。John Cage的な雰囲気を感じさせながら、空間に漂う音に魅了してしまった。中盤から後半にかけては、John Coxonのブルージーなギターを聴くことが出来ます。どことなくアンビエント風に聴かせてしまう独特のギターワークに驚く。これまでは脇役的なイメージであったが、本作で彼のマルチプレーヤーとしての存在感を示したことは間違いない!
数多くの音源があったのでしょうね。クレジットにはCompiled By Mikel Acostaとなっている。Mikel AcostaはレーベルHegoa Recordsのオーナーであり、この人が選曲や曲順を決めたとされている。寄せ集めで様々な音源を収録しているが、John Coxonのやりたいことが凝縮された1枚だと思う。本人は「音楽とは、果てしなく魅力的で魔法のようなものだが、いまだに理解できない」とコメントしているようです。Vol.1となっているので続編も有りそうですね。
Jason Pierceと John Coxonの2人でThe Red Krayolaのカヴァーを行っています。