ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

2020年6月のディスカホリック

昔はCDやレコードを買わないことには、内容が確認出来なかった。雑誌レビューや店頭でのキャッチ・コピーを参考にワクワクしながらCDを選んでいた。例えそれが外れたとしても、元を取るために10回は聴くようにしていた。その事で新たなる発見が出来ることもあった。これだと思う1枚に出会うには、それなりの無駄も必要であるというのが私の持論でもあった。

 

President Onlineの記事で「店頭でワクワクしながらCDを選ぶという人が絶滅危惧種になった本当の理由」を見つけたので紹介します。サブスクリプションで選曲の自由が実現した。選び放題ということは、結局何も選べないことになり、自分から進んで誰かの指示に従いたがるようになる。聴く音楽を自分で決められなくなっているのだと。AIが選んだ好みの音楽だけじゃいずれ飽きられてしまう。好きなものだけでは進化の余地がないとして、最後は適度にユーザーを裏切ることが必要なのだと書かれている。選ぶワクワク感を奪っておいて何をいっているんだかな?

 

私は音源のさわりを知る上でSpotifyなど利用することもあるが、最終的にはCDやレコードに拘っている。フィジカルで聴かないと記憶に残らないのも確かです。これだと思う1枚に出会うにはやはり買うしかないと再確認した。


 

2021年6月のディスカホリックは10タイトルの実績でした。今月も素晴らしいアルバムに多く出会えてます。

 

Sunwatchers / Brave Rats(Vinyl) 購入先Big Love Records 購入価格4,190円

 

前回のブログ記事で取り上げたNYのバンドSunwatchersの2020年の12インチEP盤。


  

P.E. / Person(Vinyl) 購入先The Stone Records Vinyl+Cassetteセット購入価格3,480円

 

解散してしまったNYのバンドPillにEatersのメンバーが合流して結成されたP.E.  PillとEatersでP.E.ですね。2020年のデビュー・アルバム。ノーウェイヴ的な雰囲気がいいです。  

 

P.E. / Sick, Sad, Fun!(Cassette) 購入先The Stone Records 

アルバム「Person」のアウトテイク、ライブ音源、ミックスヴァージョンを纏めたコンピレーション・カセット。 

 

 

The Telescopes / Absence Presence(Vinyl) 購入先Discogs(Total Records) 購入価格€37.99EUR(5,230円)

今年2月に「Songs Of Love And Revolution」がリリースされたばかりですが、早くも新作の登場です。今回はアコースティック・ギター中心のアルバムです。このダウナーな感じが最高です。



 

Steven R. Smith / In the Spires(Vinyl) 購入先Worstward Recordings Bandcamp 購入価格$45.00 USD(5,123円)

Ulaan Janthina、Ulaan Passerineなどの名義でも活動を行っているSteven R. Smithの新作。 

 

 

Zement / Schleifen(Vinyl) 購入先Zement Bandcamp 購入価格€38.00 EUR(5,167円)

ドイツの2人組Christian Büdel、Philipp Hagerによるネオ・クラウトロックZementの新作。ミニマルで気持ちよく鳴り響いています。 


 

Angel Archer / LightRay Variations(CD) 購入先Angel Archer Bandcamp 購入価格$20.00USD(2,296円)

Dire Wolvesのベーシストとしても活躍しているBrian Lucas率いる3人組バンドAngel Archerのセカンドアルバム。本人よりこんな包装で送ってくれました。メチャ嬉しいです!!

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Mountain Movers / World What World(Cassette) 購入先Trouble In Mind Records Bandcamp 購入価格$26.00USD(2,984円)

 

2000年代中頃より活動しているDan Greene率いるThe Mountain Moversの新作。Dan Greene以外のメンバーはHeadroom のメンバーです。 


 

Stefan Christensen / City Code(Vinyl) 購入先Tobira Records 購入価格3,638円

Headroom、Centerのメンバーでもあり、C/Site Recordingsのレーベル・オーナーとしても活躍しているStefan Christensenの2018年リリースのアルバム。 


 

Club Sound Witches / Steep St(Cassette) 購入先Tobira Records 購入価格2,000円

Steep St (Cassette, Album, Limited Edition) album cover 

オーストラリアの実験的アンビエント・デュオClub Sound Witchesの新作。 


 

政治的メッセージを掲げながら、縦横無尽にジャンルの垣根をぶっ壊して掻き鳴らすSunwatchersのサウンドにハマッています!

Review: Sunwatchers, 'II' : NPR

Jeff Tobias(サックス)、Peter Kerlin(ベース)、Jason Robira(ドラムス)、Jim McHugh(ギター)、の4人によるニューヨークのバンドSunwatchers。先月のブログでJonathan Kaneについて書いた時に、Jim McHughとのコラボレーション・ライブ音源がnyctaperよりデジタル配信されていたことに触れた。それが切っ掛けでSunwatchersに興味を持ってしまったのであります。色々と調べていくとJeff Tobiasは2000年代後半にはOf Montrealのメンバーとしてサックスを吹いており、2019年にはThee Repsのデビュー・アルバムでベーシストとしてもマルチに活動していました。

 

Jeff Tobias、Jason Robira、Jim McHughはジャズ・パンクバンドDark Meatのメンバーで、この3人が集まって2014年にSunwatchersを結成し、自主制作のカセット・アルバムをリリースします。2016年にPeter Kerlinが参加したことで、よりアグレッシブでメッセージ性の強いバンドになったようです。これまでに自主制作やセルフ・リリース、ライブ・アルバムなども含めて9タイトルもリリースしています。彼らの縦横無尽にジャンルの垣根をぶっ壊して掻き鳴らすサウンドに嵌ってしまい、アルバム2枚とEP盤1枚を購入したので紹介します。

 

Sunwatchers / Illegal Moves

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2019年2月にTrouble In Mindよりリリース。Pitchforkが取り上げるなど、彼らの知名度が一気に上がったとも言えるアルバムです。4人の英知を結集させて、クラウトロック、ジャズ、サイケデリックなどに様々な要素がコラージュされた傑作。

 

Sunwatchers / Oh Yeah?

2020年4月にTrouble In Mindよりリリース。冒頭の「Sunwatchers vs. Tooth Decay」からギターとサックスのバトルを中心に暴走しまくった曲が満載。ノイズやジャズをベースにマスロック的なサウンドで攻め込んできます。こちらも素晴らしいアルバムです。 

  

Sunwatchers / Brave Rats

2020年5月にAmish Recordsよりリリース。「Oh Yeah?」の続編と言える新曲4と Illegal Movesからのライブ音源、ミックスヴァージョンの2曲を纏めた12インチEP盤。

 

Sunwatchersはインストゥルメンタルのバンドです。その彼らが掲げているメッセージとは以下の文言になります。

Sunwatchers Stand In Solidarity With The Dispossessed, Impoverished and Embattled People of The World.

Sales and proceeds from this and all our other albums go to benefit prison-abolition and anti-carceral-state advocates and organizations.

”Illegal Moves”、”Oh Yeah?”のアルバムにもしっかりとクレジットされています。政治的内容にも踏み込んでいるので翻訳はしませんが、このようなメッセージを掲げながら、音楽とどう向き合っていくのか、今後も注目していくしかないです。

 

 

 

Sunwatchersを知る切っ掛けとなったJonathan KaneとJim McHughとのライブ音源は、この記事で取り上げています。


 Jeff Tobiasが参加しているThee Repsについて書いています。


Sunwatchersを色々と検索していくと、興味深い記事に出会いました。Jason Robiraの新たなるユニットDream Dadsについて書かれています。


 

サンフランシスコの変態キチガイ・バンドCaroliner RainbowやSunburned Hand Of The Manのメンバーでもあった Phil Franklinのソロ・プロジェクトFranklin's Mintの13年振りとなる新作

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2001年よりSunburned Hand Of The Manのメンバーとして多くのアルバムに参加しているPhil Franklin。ドラム、パーカッションをメインに様々な楽器を弾き熟すマルチプレヤーでもあります。Sunburned Hand Of The ManのリーダーJohn MoloneyもドラマーなのでPhil Franklinが参加したアルバムはツイン・トラムなどよりリズムに重点をおいたアルバムが多いのも確かです。

 

今回、Phil Franklinのソロ・プロジェクトFranklin's Mintの13年振りとなる新作「Temporary」がSunburned Hand Of The Manの自主レーベルManhandからリリース。現在、Phil Franklinはオーストラリア・シドニーに住んでいて、同じくオーストラリアに住んでいる元Mr. BungleのメンバーであったDanny Heifetzと組んで製作されました。

 

Franklin's Mint / Temporary

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ManhandなのでCDRかと思っていましたが、ちゃんとCDでのリリースです。Phil Franklinがヴォーカル、ギター、曲作りを担当して、Danny Heifetzが録音、ミックスを行っています。 Sunburned Hand Of The Man のJohn Moloney、 Robert Thomasといった面々もゲスト参加。コロナ渦で様々な制限がある状況で制作されているようです。これまでのFranklin's Mintに比べると、よりシンプルでコンパクトにPhil Franklinのヴォーカルに焦点を当ててフォーキーなサウンドを響かせています。研ぎ澄まされたPhil Franklinの歌声が心に染みこんで来る素晴らしいアルバムです。 5曲目「hAApy birthdAAy」のハッピーバースデーソングは何人かの友人にメッセージとして送りました。

 

Bandcampのレビューでは、Phil Franklinが自身のバイオグラフィ的なことを書いています。その中で驚いたのか、90年代に彼がサンフランシスコの変態キチガイ・バンドCaroliner Rainbowのメンバーだったということです。バンドリーダーであるGruxも含めて、偽名や匿名で参加していて、ライブは顔の見えない変な扮装をして演奏していました。Gruxは精神障害者生活保護を受けていたといった噂もあって、変態キチガイ・バンドとして有名になったのです。そのCaroliner Rainbowのメンバーとして日本にも来たことがあると書かれています。これまで情報が無かっただけに衝撃的です。この記事を書く時にPhil Franklinの画像を探していたのですが、中々見つからず、結局本作CDのスリーブにあった写真を使用しています。このことからしても素顔をさらすことは嫌なんだということに納得です。

 

 6年前にCaroliner Rainbowについて書いています。

 

 1994年来日時のGruxのインタビュー記事です。

【インタビュー】キャロライナー・レインボー CAROLINER RAINBOW「花形文化通信」NO.68/1995年1月号 | 花形文化通信

 

 

ノイズ、ポスト・パンク、フォークまで多彩な音楽性を披露しているギタリストStefan Christensenに魅了されています

Stefan Christensen's Favorite Albums of 2018 – Your Favorites' Favorites

アメリカ・コネチカット州ニューヘイブンを拠点に活動しているギタリストStefan Christensen。2000年代初期より音楽活動を行っており、様々なバンドやユニットを経て2015年よりソロ名義でも活動をスタートします。今はHeadroom、Centerのメンバーでもあり、C/Site Recordingsのレーベル・オーナーとしても活躍しています。彼の多彩な音楽性に魅了されて、5作品も購入したので紹介します。

  

Stefan Christensen / Shake Off The Village(2017年Vinylリリース)

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冒頭の1曲目「Cat's Song」の不穏で不気味な曲に続く、2曲目「Over Scrawl」のラジカルに鳴り響くギター・サウンドにノック・アウトされました。ギターにエフェクターを散りばめながら、物憂げなStefan Christensenのヴォーカルが絡む。ドラムにはHeadroomのDavid Shapiroが参加しています。9曲目のラスト曲はライブ録音で同じくHeadroomのKryssi Battalene、Rick Omonte らも参加しており、アルバムを盛り上げています。ノイジーでチープな演奏から醸し出されるStefan Christensenの世界にハマッてしまう切っ掛けとなった1枚でもあります。 

 

 

Stefan Christensen & Friends / Unknown Fortune(2019年Vinylリリース)

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Headroom、Mountain Moversのメンバー全員が参加し、レコーディングやマスタリングがJohn Millerとなれば、これはもうHeadroomのセカンド・アルバムと言ってもいいでしょうね。Stefan ChristensenとKryssi Battaleneのギター2本によるアンサンブルを軸にしっかりと纏まっています。少し前にHeadroomをブログで取り上げた。その時に、その周辺も含めてユニークな活動を行っていると書いた。改めてコネチカット州ニューヘイブンのインディーズ・シーンはStefan Christensenの存在無くしては語れないことを、このアルバムを聴いて再確認した。

 

 

Stefan Christensen / The Upcoming Flame(2019年Vinylリリース)

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Stefan Christensenの持っている様々な要素をすべて取り込んだ力作。彼のヴォーカルを前面に打ち出した曲からポスト・パンク、オルタネイティブな曲、アコースティック・ギター1本でメロディーを奏でる曲まで、彼の魅力を満載したアルバムです。8曲目「Unkempt Power (This City's Hold)」では、Dinosaur Jrを彷彿させるギター・ワークーを披露し、ラスト9曲目「G Roberts」はLoren Connorsの別名Guitar Robertsのことで、彼に対するオマージュを表した曲で締めています。もの凄く興味深いです。動と静を駆使しながら不思議な世界を構築しています。

 

 

Stefan Christensen / Passage Thruways Bent(2020年Cassetteリリース) 

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Non-Event主催による2020年8月18日Stefan Christensenの自宅でのライブ音源。ヘビィーでノイジーなギター・ワークを中心に4曲収録。インプロビゼーションを軸にミニマルやドローンなども駆使して刺激的な演奏です。このアルバムにもドラムとしてHeadroomのDavid Shapiroが参加しています。Stefan Christensenの轟音ギタリストとしての力量に脱帽させられる1枚。素晴らしいアルバムです。

 

 

Stefan Christensen / Loimaa(2021年Cassetteリリース)

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最新作はフォ-キーなサウンドを中心にカセット・リリースしているレーベルGarden Portalからのアルバムです。アコースティック・ギターだけで製作され、電子音が効果的にコラージュされています。Stefan Christensenのヴォーカルも3曲目「Loimaa VIII」とラスト8曲目「Loimaa III」で聴くことが出来ます。しっとりと歌いあげていてシンガーソングライターとしての力量も再確認出来ます。レーベルの意向を加味して、シンプルでアンビエント、ドローン、フォークの雰囲気を醸し出している。心に染みいってくる傑作です。

 

Stefan Christensenを知る切っ掛けとなったバンドHeadroomについて、少し前に書いています。


 

2021年5月のディスカホリック

2021年5月のディスカホリックは20作品の購入実績でした。久しぶりにちょっと買い込んだ感じです。20年位前が月に30~40作品近くCDを買い込んでいたので、それから比べると可愛い数字ですが。まだ聴けてないものも多くあり、個別に取り上げたいものも今月は多くあります。まあ、毎月のディスカホリックは購入履歴と言うことで・・

 

Jonathan Kane's February / Live At Issue Project Room(CD) 購入先Discogs(stooznyc) 購入価格$22.98USD(2,626円)

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入手困難と思っていた Jonathan Kane's February の2012年リリース「Live At Issue Project Room」のデットストックCDを運良くDiscogsで購入することが出来ました。

 


 

Stefan Christensen、4作品                           

先月の記事で取り上げたバンドHeadroomのギタリストStefan Christensenにハマッてしまい4タイトルも購入しました。エクスペリメンタル、ポスト・パンク、ノイズ、アンビエントなどアルバムによって様々な要素を披露しています。今後も要注目のギタリストです。

Stefan Christensen / Passage Thruways Bent(Cassette) 購入先Discogs(Carbon Records) 購入価格$25.00USD(2,848円)

 

2020年リリース作。 

  

Stefan Christensen / The Upcoming Flame(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp(RAREWAVES-JP) 購入価格3,191円

 2019年リリース作。

 

Stefan Christensen & Friends / Unknown Fortune(Vinyl) 購入先Discogs(Western Records) 購入価格$35.00(3,987円)

 2019年リリース作。Headroomのメンバー全員が参加して制作されたアルバムです。

 

Stefan Christensen / Shake Off The Village(Vinyl) 購入先NAT RECORDS 購入価格3,450円

 

 2017年リリース作。

 


 

Sunburned Hand Of The Man、5作品

私に取っては毎度お馴染みのSunburned Hand Of The Man。今回もごく僅かの生産によるCDRです。注文した時にメンバーのJohn Moloneyよりいつものようにメッセージを頂いています。”Thanks again Hiroshi! I can't wait to bring the band to Japan, maybe next year, we're working on it. hope all is well, John” 

Sunburned Hand of the Man / Vulgarisms(CDR) 購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$13.33USD(1,517円)

 

2021年の新作。 

 

Sunburned Hand Of The Man / The Lid of Fortune(CDR) 購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$13.33USD(1,517円)

 

2016年リリース作。

 

Sunburned Hand Of The Man / Sante(CDR) 購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$13.33USD(1,517円)

2015年リリース作。

 

Sunburned Hand Of The Man / Sensitivity, Without Permission(CDR) 購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$13.33USD(1,517円)

2010年リリース作。

 

Sunburned Hand Of The Man / Tailwind(CDR) 購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$13.33USD(1,517円)

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2009年リリース作。

 

 

Franklin's Mint / Temporary(CD) 購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$13.33USD(1,517円)

  

サンフランシスコの変態バンドCaroliner RainbowやSunburned Hand Of The Manのメンバーでもあった Phil Franklinのソロ・プロジェクトFranklin's Mintの13年振りとなる新作。 John Moloney、 Robert Thomasといった面々も参加しています。フォーキーなサウンド鳴り響かせています。

 

 

Sunwatchers、2作品

SunwatchersのギタリストJim McHughがJonathan Kaneとのコラボレーション音源がnyctaperよりデジタル配信されていたことでSunwatchersを知りました。ノイズやジャズをベースにしたマスロック的なサウンドにハマッてしまった。

Sunwatchers / Oh Yeah?(Vinyl) 購入先Diskunion.Net 購入価格1,595円

 2020年リリース作。

 

Sunwatchers / Illegal Moves(CD) 購入先Amazon.co.jp 購入価格329円

 

2019年リリース作。

 

 

Alan Licht、2作品

Alan Lichtの2001年リリース「Plays Well」を本人のBandcampで見つけた時に、合わせて注文していました。

Alan Licht / A Symphony Strikes the Moment You Arrive(Cassette) 購入先Alan Licht Bandcamp 購入価格$17.00 USD(1,944円)

カセット音源による新作。 

  

Alan Licht / Major Air、Havens (excerpt)(8inch ) 購入先Independent Woman Records Bandcamp 購入価格$92.00NZD(7,602円)

Run On時代の1996年に録音されたMajor Airと2018年に録音されたHavensの2曲を収録した8インチシングル。残念ながら公開出来る音源を見つけることが出来ませんでした。 

 


 

Alexandre Bazin / Concorde(Vinyl) 購入先Alexandre Bazin Bandcamap 購入価格€26.00EUR(3,535円)

 

GRM (Groupe De Recherches Musicales)のメンバーでもあるAlexandre Bazinの新作。

 

 

Dinosaur Jr. / Sweep It Into Space(CD) 購入先Diskunion.Net 購入価格2,640円

 

5年振りの新作。

 

 

Seefeel / Rupt+Flex 94-96(4CD) 購入先Diskunion.Net 購入価格4,400円

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インディーズ・ギターバンドとしてデビューしたSeefeelのインテリジェンス・テクノ、リスニング・テクノへと方向性を変化させたセカンド「Succour」とサード「(Ch-Vox)」を中心とした4CD BOX。

 

 

Carl Stone / Stolen Car(CD) 購入先Meditations 購入価格1,951円

US電子音楽家Carl Stoneの新作。

 

 

John Duncan / Soft Eyes(Vinyl) 購入先Meditations 購入価格3,678

Los Angeles Free Music Society(LAFMS)のメンバーとしても知られるUS実験音楽家John Duncanのヴォーカルを軸に作り上げた新作。 


 

 

Dire Wolvesのベーシストとしても活躍しているBrian Lucasのソロ・プロジェクトOld Million Eye

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サンフランシスコのサイケデリック・バンドDire Wolvesのベーシストとしても活躍しているBrian Lucasのソロ・プロジェクトOld Million Eye。ドローン、アンビエント、ミニマル、エレクトロニクスなど様々な要素を駆使してBrian Lucas流のサイケ感を醸し出しています。これまではセルフ・リリースやプライベート・リリースが中心でしたが、昨年後半からカセットをメインとしている各レーベルより3作品がリリースされています。今回はその3作品を中心にBrian Lucasについて語って行きたいと思う。

 

Old Million Eye / Smoking Holes(Cassette)

Invisible City Recordsより2020年12月にリリース。ベースとギターによるドローン・サウンドに瞑想的なキーボードが絡むダーク・アンビエントの世界。A面が2018年12月の録音で、B面が2020年8月の録音です。前編、後編といった感じで一つの作品として構築されています。動と静を巧くミックスしながらカオスティックに盛り上がる作品です。

  

Old Million Eye / Warm Alliance with the Outside(Cassette)

 

Feathered Coyote RecordsとEiderdown Recordsの共同で2021年2月にリリース。ギター、パーカッション、キーボード、ストリングスなどの音が万華鏡を覗いたような感じでループしながらミニマルに鳴り響いています。そこに、Brian Lucasの浮遊感あふれるヴォーカルが絡んでいます。Brian Lucas流のサイケデリック感を堪能出来る不思議な世界。

 

Old Million Eye / Set & Drift(Cassette)

 

Misophoniaより2021年4月にリリース。これまでのBrian Lucasが築き上げてきたOld Million Eyeの世界を纏めた感じのアルバムとなっています。ドローン、フォーク、アンビエント、テープ・コラージュなど、様々な要素を取り入れながらローファイで神秘的なサイケデリック感を醸し出している。集大成とも言える傑作です。

 

私がBrian Lucasを知ったのは、90年代のエクスペリメンタル・バンドMirzaであります。1997年Darla Records のアルバム Anadromous(The Bliss Out Vol. 7)でデビュー。このブログで何回も取り上げているギタリストSteven R. Smithやサンフランシスコのインディーズ界のポップ職人と言われるGlenn DonaldsonもMirzaのメンバーです。Brian Lucasはこの2人に比べると少し影が薄かったかも知れませんね。ただし、Mirzaのアートワークやライナーノーツを手掛けていたのはBrian Lucasです。Mirza解散後はOld Million Eyeの活動を含めて様々なことを行っていたのですが、あまり情報が入って来なかったのが現状です。Brian Lucasは2014年ぐらいからDire Wolvesに参加しています。その時に彼の存在を再確認したのです。以前にOld Million EyeのCDRを購入時に、本人とメールのやり取りを行った。その時にMirzaのファンでしたと書いたら驚いていました。

  

Mirza / Anadromous (The Bliss Out Vol. 7)からの1曲。メチャ格好いいです!

 

Dire Wolvesについては、以前Excursions To Cloudland(2017年)、Oceans Of Green(2017)、Paradisiacal Mind(2018年)の3枚のアルバムを取り上げています。

 

Brian LucasはOld Million Eye、Dire Wolvesの活動と並行して2019年よりAngel Archerとしても活動しています。Brian Lucas の他にSheila Bosco(Dire Wolves)、Gregory Haganの3人組です。間もなくセカンド・アルバムがリリースされます。現時点では1曲のみの公開となっています。こちらも楽しみです。

  

Brian Lucasはビジュアル・アーティストとしてもマルチに活動しています。


 

Swans結成時のドラマーだったJonathan KaneによるGuitar Trioの世界とは

Jonathan Kane - Wikipedia

Swans結成時のドラマーだったJonathan Kane。Swans脱退後はセッション・ドラマーとして様々な活動を行なって来ました。その中でもミニマル実験音楽作家Rhys Chathamとの出会いが、彼の音楽に大きな影響を与えました。Rhys Chathamと言えばギター・トリオ、100本ギター・オーケストラなどのプロジェクトが有名であります。Jonathan Kaneの2005年の初ソロ・アルバム「February」でRhys ChathamのGuitar Trioを奏でています。そのコンセプトを元に2枚シングルを経て2009年に彼の代表作とも言えるセカンド・アルバム「Jet Ear Party」をリリースします。

 

その後、2012年にIssue Project Roomでの2010年2月のライブ音源CDが限定リリースされたが、殆ど一般流通が無いまま入手困難となってしまった。Jonathan Kaneの情報も入って来ないので、ずっと気になっていたのです。最近になってSunwatchersのギタリストJim McHughとの2020年10月のライブ音源がnyctaperよりデジタル配信されていたことを知る。色々確認すると2017年よりFacebookベージを開設しており、地道にライブ活動を行っていたのでした。


今回、入手困難と思っていた Live At Issue Project RoomのデットストックCDを偶々運良くDiscogsで購入することが出来たので紹介したいと思う。デジタルとしては、以前からアップされていたが、フィジカル・メディアとして持たないと分らないことも多いしね。 

Jonathan Kane's February / Live At Issue Project Room

ライブ会場であるIssue Project Roomは、2003年にSuzanne Fiolによってブルックリンに開設されたエクスペリメンタルやアヴァン・ギャルドの音楽に特化したライブ・スペースです。本作にはSuzanne Fiolが2009年10月に亡くなったことも含めて彼女のバイオグラフィー的なことがCDのライナーノーツに記載されており、Dedicated to Suzanne Fiolと書かれています。メモリアル的なIssue Project Roomとしての初CDリリースにも納得です。Jonathan Kaneの彼女に対する思いも伝わって来ます。

 

これまではJonathan Kaneの単独名義でしたが、ライブ盤ということもあってJonathan Kane's Februaryというバンド名義になっています。Jonathan Kaneのドラムを中心にギター3人、ベース1人の5人編成で、ブルースロックを基本にミニマルでクラウトロック的な雰囲気も醸し出しています。ファースト・アルバムから2曲、セカンド・アルバムから4曲の全6曲収録です。いずれもJonathan Kaneの方向性がしっかりと反映されており、各メンバーの演奏力も高いため、安心して酔いしれることの出来るライブ盤です。


  

セカンド・アルバム「Jet Ear Party」リリース時のスタジオ映像で、Live At Issue Project Roomでは冒頭1曲目に収録されているGrippedです。最高に格好いい!!

 

参考までに Jonathan Kaneが影響を受けたRhys ChathamのGuitar Trioの映像です。こちらもメチャメチャにいいです!!


そろそろ Jonathan Kaneの新作も聴きたいところですね。 Jonathan Kane's FebruaryのGuitar Trio的な展開になるのか?それともコラボレーション的なユニットになるのか?今後も注目して行きたいです。