ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

2021年8月のディスカホリック

フジロックについて少し書きます。私は2002年から毎年参加してきましたが、今年は悩んだ結果参加しませんでした。仕事の関係で5月にワクチン摂取を完了。このことは、絶対にコロナ感染してはならいということでもあります。ホールドしていたチケットを5月にリセール。ワクチン接種が進んで感染が収まったら、再度チケットを購入すれば良いとも考えていた。しかし、そんなに甘くはなかったです。フジロックの方も海外アーティストの参加中止を打ち出しするなど、本当に開催出来るのか?とも思った。

 

それでも、主催者側は腹を括って開催した。徹底した感染対策を行い、参加者もそれを理解しての参加です。私の友人も多く参加しました。それなら応援するしかないと思ったのです。参加した友人達からは、ル-ルやマナーは守られていたし、歓声もなく静かに観ることが出来たと言っていたので、少しホッとした気分でした。何をどうやったとしても批判はしょうがない。ただ、全て中止ではなく、誠実にコロナ渦での音楽フェスの在り方をフジロックは示してくれたように思う。

 

ところが、先週末にとんでもない音楽フェスがあった。群馬県のDJイベント “GLOBAL ARK” での不織布マスクはNG、愛知県のヒップホップイベント "波物語" は酒を飲んで、ノーマスクなどです。GLOBAL ARKは「NGとしたのは半分ギャグでした」と釈明。一方、波物語はルールへの呼びかけは行っていたと言っている。悲しいを通り超して、怒りがこみ上げてきました。こんなイベントは本当に許せない!

 

来年のフジロックは7月29日(金) から31日(日) の3日間です。来年は必ず参加します。今から楽しみです。

 

 

今月のディスカホリック(購入履歴)は12タイトルでした。 

Herbcraft / Ashram To The Stars(Cassette) 購入先Tobira Records 購入価格1,523円

Matt LajoieのソロプロジェクトHerbcraftが2011年リリースしたアルバムを今年になってカセットリイシュー。

 

 

Ash Brooks & ML Wah / Deeper Than the Sea, Higher Than the Sky(Cassette) 購入先Tobira Records 購入価格1,523円

  

Ash BrooksとMatt LajoieのML Wah名義による2017年リリースのカセット。ヴァイオリン、タック・ピアノ、メロディカを駆使したドローンミュージック。

 

Ash BrooksとMatt Lajoieについて、少し前に彼らのレーベルFlower Roomを含めて書いています。  


 

Avarus / Lepakkomiehessä(CD) 購入先Tobira Records 購入価格1,823円

 

2000年代初期から活動しているフィンランドのフリーフォークバンドAvarusの2020年リリースの2017年ライブ音源。地道に活動していたのですね。

 

 

Yagow / The Mess(Vinyl) 購入先Crazysane Records Bandcamp 購入価格€25.00 EUR(3,437円) 

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ドイツ・ザールブリュッケンを拠点とするサイケなシューゲイサーバンドYagowの2021年リリースのセカンド・アルバム。


 

 

Liila / Soundness of Mind(Cassette) 購入先waltz online 購入価格1,970円

 

USポートランドのエレクトロなアンビエントデュオLiilaの2021年デビューカセット 。

 

 

Green-House / Music For Living Spaces(Cassette) 購入先waltz online 購入価格1,970円

ロサンゼルスを拠点とする女性アーティストOlive Adizoniによるソロ・アンビエントプロジェクトGreen-Houseの2021年リリースのセカンド。 

 

 

Stefan Christensen / Cheap Things(Vinyl) 購入先Discogs(Discreet.music) 購入価格€34.00(4,593円)

 

C/Site RecordingsのオーナーでもあるギタリストStefan Christensenの最新作。

 

Stefan Christensenについて書いています。 


 

Six Organs Of Admittance / The Veiled Sea(Vinyl) 購入先diskunion.net 購入価格3,300円

 

USエクスペリメンタルでサイケなロックバンドSix Organs Of Admittanceの 新作。これまでになく多彩な要素をぶち込んだ傑作!

 

 

Kath Bloom / Bye Bye These Are The Days(Vinyl) 購入先diskunion.net 購入価格2,000円

 

伝説的アシッド・フォークシンガーKath Bloomの2020年作。 

 

 

Eight Point Star(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格2,137円

  

Pelt、Black Twig Pickers、Spiral Joy Banで活躍していたMike Gangloffを中心として、その周辺で活動を行っていたUSヴァージニア州の面々が集まって結成されたEight Point Starの2021年デビューアルバム。

 

 

Matt Valentine / Preserves(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp (Rarewaves-Jp)購入価格3,279円

 

夫婦デュオMV&EEとして活動しているMatt Valentineの2019年リリースのアルバム。

 

Matt Valentine Preserves名義の新作Galactic Oozeを取り上げた時に少し書いています。


 

Jana Irmert / The Soft Bit(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp(Rarewaves-Jp) 購入価格2,748円

エレクトニック、アンビエント、フィールドレコーディングなどのサウンドを奏でるJana Irmertの4作目となる新作。 

 

 

現代音楽作曲家John Luther Adamsがエオリアンハープの音に影響を受けた“Arctic Dreams(極北の夢)”の世界とは

John Luther Adams: Become Ocean (promo trailer) - YouTube

1953年生まれのJohn Luther Adamsは、1978年から2014年まで住んでいたアラスカの自然にインスピレーションを得たアメリカの現代音楽作曲家です。2014年にピューリッツァー賞と2015年にグラミー賞の両方を受賞しています。現在はニューメキシコとNYを拠点にしていますが、今でもアラスカをテーマにした作品をリリースしています。今回は2021年リリースの最新作 "Arctic Dreams" を取り上げたいと思う。

 

John Luther AdamsArctic Dreams

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本作はJohn Luther Adamsの友人でエッセイスト、ネイチャーライターでもある作家Barry Lopez(1945ー2020)に捧げられており、彼の著書 “Arctic Dreams(極北の夢)” がタイトルとなっている。極北の大地、海、動物たち、氷と光、エスキモー、そしてこの土地をめぐる人々の夢について書かれたノンフィクション本です。日本翻訳版も発刊されています。

 

アラスカのツンドラ地域で聴いたというエオリアンハープの音に影響を受けて、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、ダブルベースによる4人の弦楽器奏者によって再構築したサウンドになっています。そこにアラスカ先住民族イヌイットやグウィッチンで歌われる歌をモチーフにして4人のウィスパーヴォーカルを取り入れた作品です。まさにJohn Luther Adamsならではの世界を披露しています。

 

4人の弦楽器奏者 Robin Lorentz(ヴァイオリン)、Ron Lawrence(ビオラ)、Michael Finckel(チェロ)、Robert Black(ダブルベース)はそれぞれ個々に活動を行っており、クラシック、現代音楽、ジャズ、ロックと幅広く音楽に精通したメンバーが集まっています。一方、4人のヴォーカルMicaela Haslam、Amanda Morrison、 Heather Cairncross、 Simon Grantは声楽アンサブル集団Synergy Vocalsのメンバーでもあり、これまでSteve Reichのアルバムやライブに数多く参加してるグループでもあります。Synergy VocalsとしてJohn Luther Adamsのアルバムに参加するのは今回が初めてです。

 

この総勢8名が織り成すサウンドは、ミニマルを中心に音をレイヤーに重ね合わせて、優しく、時には厳しく、幻想的に鳴り響かせている。民族音楽をベースにしたヴォーカルアンサブルはサウンドに染みこむようにウィスパーしています。プロデューサーやレコーディングなどのスタッフには、毎度お馴染みのNathaniel Reichmanやリリース元Cold Blue MusicのオーナーJim Foxらがクレジットされており、ここ最近の盤石な体制です現代音楽というと小難しさが先行しますが、ドローン、アンビエントニューエイジミュージックのファンにも聴いて欲しい。アラスカの大自然を感じられるパノラマサウンドを堪能してみて下さい。 

 

 

エオリアンハープとは、フレデリック・ショパンの「練習曲 変イ長調 作品25-1」を聴いたロベルト・シューマンが「まるでエオリアンハープを聞いているようだ」と言ったことから、この曲の愛称としても知られている。ウインドハープとも呼ばれており、自然に吹く風によって音を鳴らす弦楽器の一種です。19世紀には実在した楽器なんですね。


 

John Luther Adamsについては、これまでも取り上げています。


 

ドイツ・ヴュルツブルクのChristian Büdel、Philipp HagerによるZement、ミニマルに鳴り響く新世代のクラウトロックと呼んでもいいでしょう!

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ドイツ・ヴュルツブルクのChristian Büdel、Philipp HagerによるZement。ミニマルに鳴り響く新世代のクラウトロックと呼んでもいいでしょうね。2014年に結成してこれまでにカセット音源を含めて6タイトルのアルバムをリリースしています。本日は彼らのライブアルバムを紹介します。

 

Zement / Schleifen

本作は2020年2月15日のドイツ・キールでのライブ音源です。Sunhair Musicより今年5月にVinylオンリーでリリースされました。ファーストアルバムより1曲、セカンドアルバムより2曲の定番曲に加えて未発表曲2曲の全5曲が収録されています。尚、デジタル音源は未発表曲1曲が追加収録です。

 

Christian BüdelのドラムとPhilipp Hagerのギター、エレクトロニクスで、2人が醸し出す最大限のパフォーマンスを披露しています。ミニマルに加えてサイケデリックやスペーシーな雰囲気をエネルギッシュに疾走させつつも、リズミカルに鎮静化された宇宙の静けさを表した曲まで、まさにクラウトロックというべき内容です。オーディエンス・ノイズなどを押さえてよりクリアーに鳴り響かせています。スタジオ録音のオリジナル盤で曲を聴き比べても Schleifenの方がダイナミックに再現しており、様々な可能性を感じる。ライブバンドとしての実力も遺憾なく発揮した素晴らしいアルバムです。今、もっともライブが観たいと思うバンドでもあります。

 

Schleifenのライブ映像がありました。演奏しているのはアルバムのラスト曲Sandです。引き込まれて行きますね。


 

 

ZementはSchleifenリリース後に最新スタジオ録音アルバムRohstoffもリリースしています。これまでのアルバムと併せてアップしておきます。

Zement / Rohstoff

2021年7月にCrazysane Recordsよりリリース。これまでよりもエレクトロニクスに重点をおいたエクスペリメンタルなアルバム。注文してますが、まだ、届いていません。今後、Zementがどのように変化していくか楽しみです。

 

Zement / Zement:Werk

2016年にSunhair Musicよりリリースされたファーストアルバム。Schleifenに彼らの代表曲とも言えるSandが収録されています。

 

Zement / Klinker

2018年にSunhair Musicよりリリースされたセカンドアルバム。SchleifenにC3A、C3Sの2曲が収録されています。

 

Zement / Unter Palmen

2020年にSky Burrow TalesのUlrich Roisが運営しているレーベルFeathered Coyote Recordsよりリリース。このカセット・アルバムでZementの存在を知りました。

 

 

 

Matt ValentineのPreserves名義による Galactic Ooze、彼の集大成を表した傑作!

Cosmic Principle Matt Valentine

サイケデリック・ロックからアシッド・フォークまで奏でるアメリカ・バーモント州の夫婦デュオMV & EE( Matt Valentine&Erika Elder)としてもお馴染みのMatt Valentine。彼は90年代中頃からThe Tower Recordingsというサイケ・フォークバンドで活動していた。2000年代初めには、フリーフォーク・ムーブメントの一角として脚光を浴びるようになる。これまでのフォークにエレクトロニカインプロビゼーション、ノイズなどを取り込んた様々なバンドが登場してきた。ただ、ブームはそう長続きはせず、2000年代中頃には終息してしまった。その影響なのかThe Tower Recordingsも活動休止となってしまう。Matt Valentineは同じくメンバーでもあったErika ElderとMV & EEしても活動していたので、その後はMV & EEを中心にソロも行い現在も勢力的に活動を行っている。

 

MV & EEの場合、自主制作を基本に自身のレーベルChild Of Microtonesからのセルフリリースが中心です。その為、日本での流通がスムーズに行かないことも多かった。Ecstatic Peace!、Time-Lag Records、Three Lobed Recordingsなどのレーベルが取り上げることで、彼らの存在を知ったリスナーも多い思う。今回、Matt Valentine Preserves名義の2020年にCDRリリースされていたアルバム ”Galactic Ooze” をFeeding Tube Recordsが今年春にレコードでリイシューしました。この音源に惚れ込んだFeeding Tube Recordsが、Matt Valentineにレコード化を勧めたとのことです。このことで、アマゾン辺りでも入手可能になりました。

 

Matt Valentine Preserves – Galactic Ooze

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本作はコズミックな雰囲気をベースにサイケデリック、ドローン、フォークなどの要素をぶち込んでカオスに鳴り響かせています。様々なシチュエーションを用いて、次々と繰り広げられる瞑想的でサイケデリックサウンド全7曲を収録。曲によって参加メンバーが違っていますが、Erika Elder、元The Tower RecordingsのSamara Lubelski、PG Six、Real EstateのJackson Pollis、Magik MarkersのJohn Shawらがクレジットされています。Matt Valentineのラリッたヴォーカルと変幻自在なギターを中心にして、それを支えるバックの面々が、遙か彼方へと私達を導いてくれます。素晴らしいアルバムです。

 

Matt Valentine Preserves名義でのリリースは、これが初めてであります。2019年には本人名義でタイトルをPreservesにしたアルバムもリリースしています。こちらも素晴らしいアルバムです。Preservesは保存する、維持するといった言葉の複数形でもあります。両アルバムとも、これまでの様々なミュージシャンとのコラボレーションを纏めたアルバムとされています。まさにアーカイブ音源といった内容で、各曲が独自性も持っており完成度が高いことにも納得です。 “Galactic Ooze” が続編となるのでしょうね。Preservesをアルバム名からユニット名に変更したことに、1人でなく皆と一緒に作り上げたMatt Valentineのコラボレーターに対する敬意も感じる。Matt Valentineの人脈があってこそのアルバムであり、彼の集大成を表した傑作といえる1枚です。

 

 

 

Matt Valentineのアルバムタイトル ”Preserves” も購入しました。

Matt Valentine / Preserves

 

2019年Beyond Beyond Is Beyond Recordsよりリリース。リリースされたことは知っていたが、購入ルートを見つけられずにいた。“Galactic Ooze”を購入した時に、アマゾンマーケットプレイスでの取り扱いを確認する。“Galactic Ooze”と同様のメンバーに加えて、Vibracathedral OrchestraのMichael Flower、 Dinosaur Jr.のJ Mascis、Sunburned Hand Of The ManのJohn Moloneyといった名前もクレジットされています。もの凄く興味深いです。レコードで注文していますが、まだ届いていません。届くのが楽しみです。

 

本来なら、MV & EEのCap Tripsを先に取り上げる予定でしたが、書きそびれていました。

MV & EE / Cap Trips

2020年11月にChild Of MicrotonesよりCDRにてリリース。セルフリリースの為、殆ど一般流通されることがないのが悩みところです。こちらもサイケデリックでぶっ飛んだ感じに仕上げています。彼らの傑作とも言える1枚です。

MV & EEのブログより購入することが出来ます。送料が高く付きますけどね。

 

 

 

2021年7月のディスカホリック

今月、はてなブログでフォローしているShigeo Hondaさんの「Sound & Silence」の記事で、この「ディスカホリックによる音楽夜話」を取り上げて頂きました。6月のディスカホリックでPresident Onlineの「店頭でワクワクしながらCDを選ぶという人が絶滅危惧種になった本当の理由」について少し触れたが、その事に関してShigeo Honda流の深い考察で書かれています。

そして、最後の方の項目「音楽を探す場所と方法」でPitchfork、Bandcamp、AppleMusic、KEXP - YouTubeAmoeba Music - YouTubeと一緒に当ブログも紹介しています。こんな拙い文章のブログでありますが、もの凄く有難く嬉しかったです。

Sound & Silence」では、音楽、オーディオ、本について様々な視点で捉えて纏め上げています。自分も色々と参考にしていることも多いです。皆さんも是非、ご覧くださいませ。

 

今月のディスカホリック、購入履歴は12タイトルの実績でした。

 

Ash BrooksとMatt Lajoieのソロ、コラボレーションなど6タイトルも購入しました。前回のブログ記事で取り上げています。

Matt Lajoie / Paraclete Tongue(Vinyl) 購入先Tobira Records 購入価格2,809円

2021年リリースのギターニューエイジミュージックによるアルバム。 

 

Matt Lajoie / Star Maps(Cassette) 購入先Tobira Records 購入価格1,693円

2021年リリースの最新作。サイケデリックでコズミックなギターが格好いい! 

 

ML Wah / Deep Roots(Vinyl) 購入先Tobira Records 購入価格2,723円

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2019年リリース、Matt LaJoieのML Wah名義によるアルバム。

 

Ash Brooks / Temple Of The Roses(7inch Vinyl) 購入先Tobira Records 購入価格1,723円

 

2020年リリース、4曲収録の7インチシングル。

 

Ash & Herb / In Now Time Vol.4(Cassette) 購入先Tobira Records 購入価格1,623円

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2021年リリース、Ash BrooksとMatt LaJoieによるコラボレーションAsh & Herb。In Now Timeと題されたライブシリーズの4作目。

 

Starbirthed / So Long, Green Lodge(Cassette) 購入先Tobira Records 購入価格1,693円

2020年リリースのAsh BrooksとMatt LaJoieによるニューエイジアンビエント・ユニットStarbirthedのアルバム。 

 

この記事をツイッターで投稿したあと、Flower Roomからリツイートして頂きました。もの凄く嬉しいです。

 

 

John Luther Adams / Arctic Dreams(CD) 購入先Art Into Life 購入価格2,237円

アメリカの現代音楽作曲家John Luther Adamsの新作。

 

 

Headroom / Rubber Match(7inch Vinyl) 購入先Grapefruit Records 購入価格$25.54 USD(2,946円)

 

 今年初めにリリースされた7インチEquinox 20に続く第2弾。

Headroomについては、 今年4月に取り上げています。


 

Matt Valentine Preserves / Galactic Ooze(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格2,691円

 

夫婦デュオMV&EEでお馴染みのMatt Valentineの2020年アルバム。今年になってレコードでリイシューされました。

 

 

先月購入したZementの新作ライブ盤「Schleifen」が素晴らしかった為、彼らの旧作2タイトルも購入しました。

Zement / Zement:Werk(CD) 購入先Zement Bandcamp 購入価格€15.00 EUR(2,046円)

 

2016年リリースのファーストアルバム。 

  

Zement / Klinker(CD) 購入先Zement Bandcamp 購入価格€15.00 EUR(2,046円)

2018年リリースのセカンドアルバム。

 

 

Spiral Joy Band / I Was Born Under A Wandrin' Star(Cassette) 購入先Feathered Coyote Records Bandcamp 購入価格€20.00 EUR(2,717円)

各メンバー様々なバンドに関わりながらも2005年から活動しているSpiral Joy Bandの新作。

 

 

レーベルFlower Room を主宰しながら、ソロやコラボレーションなど様々な活動を行っているAsh BrooksとMatt Lajoieの世界に魅了されています!

Cosmically-Inspired Show  Combines Music, Improv Art

アメリカ・メイン州ポートランドを拠点に音楽活動しているAsh BrooksとMatt Lajoie。2人は2017年に自分達の音源をリリースするレーベルFlower Roomを立ち上げます。カセットやレコードを中心にソロ音源、コラボレ-ション音源など多数リリースしています。自主制作的なレーベルなのでフィジカルメディアを見つけたら即購入しないと直ぐに完売となることが多いです。今回、日本のレコード店Tobira RecordsのHPで色々と検索していた時に、目に付いたのがMatt Lajoieの「Paraclete Tongue」であります。どことなく剽軽なこのジャケットに魅せられてしまい、そこからレーベルFlower Roomの存在を知りハマッてしまった。Matt Lajoie中心にパートナーであるAsh Brooksの7インチや2人のコラボレーションなどTobira Recordsより6タイトルも購入したので紹介します。 

 

Matt Lajoie / Paraclete Tongue(Vinyl)2021年リリース

ギターニューエイジミュージックによる全4曲。エフェクターを駆使してレイヤーに掻き鳴らされるギターサウンド。牧歌的な雰囲気も醸し出しながら広大な宇宙へと導いてくれます。私が魅されたこのジャケットもMatt Lajoieが手掛けています。素晴らしい1枚です。 

 

Matt Lajoie / Star Maps(Cassette)2021年リリース

自分達のレーベルFlower RoomではなくシカゴのEye Vybe Recordsより4月後半にリリースされた最新作。Paraclete Tongueをより進化させたサイケデリックでコズミックなギターによる全5曲。クラウトロックの先人達の影響も垣間見ることが出来る傑作。 

 

ML Wah / Deep Roots(Vinyl)2019年リリース

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Matt LaJoieのML Wah名義によるアルバム。自身のヴォーカルも組み入れながら、ダブルベース、トランペット、トロンボーンなども駆使してスピリチュアルでオーガニックに鳴り響いています。Paraclete Tongue、 Star Mapsのギター中心のサウンドとは異なる方向性を示していますが、ほのぼのと聴き入ってしまった。

  

Ash Brooks / Temple Of The Roses(7inch Vinyl)2020年リリース

4曲収録の7インチシングル。ドリームポップとサイケフォークを組み合わせて、ローファイにエキゾチックな雰囲気を漂わしている。Matt LaJoieもベース、パーカッションなどで参加しています。

  

Ash & Herb / In Now Time Vol.4(Cassette)2021年リリース

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Ash BrooksとMatt LaJoieによるコラボレーションAsh & Herb。Matt LaJoieは自身のソロユニットHerbcraftの名義になっています。In Now Timeと題されたライブシリーズの4作目。2021年2月21日のライブストリーミングパフォーマンス音源です。全4曲収録で、冒頭の1曲目にAlice Coltrane & Joe Hendersonのカヴァー曲Earthを持ってくる辺りは、彼らの幅広い音楽志向性を表していると思う。サイケジャムセッションからアシッドフォークまで2人の魅力満載のアルバムです。 

  

Starbirthed / So Long, Green Lodge(Cassette)2020年リリース

Ash BrooksとMatt LaJoieの2人は、Ash & Herb以外にもStarbirthedとしても活動しています。こちらはヴォイス、ギター、シンセ、パーカッションなど駆使してニューエイジアンビエントといった3曲を収録。Ash&Herbとは違う不思議な魅力を表しています。 

 

Flower Roomとして、自分達以外のアーティストのアルバム・リリースも手掛けており、トータルするとこれまでに72タイトルものアルバムを世界に送り出しています。DIY精神に乗っ取り、今この瞬間を記録して素早くリリースしたい思いが伝わってきます。今後も注目していくしかないですね。

 

 

ブルックリンの解散したPillのメンバーとEatersのメンバーが合体したP.E.のデビューアルバム!

P.E. / Person(Ltd LP) | to'morrow records

またまた、新たなるバンドに出会うことが出来ました。解散したNYブルックリンのバンドPill(Benjamin Jaffe、Jonathan Campolo、Veronica Torres)に同じくブルックリンのBob Jones、Jonathan Schenkeによるコラボレーション・ユニットEatersのメンバーが合体して結成されたP.E.  PillのPとEatersのEでP.E.ですね。彼らの2020年3月リリースのデビューアルバムを紹介します。EatersのBob JonesがポートランドサイケデリックバンドEternal Tapestryの元メンバーであり、Volcano The BearのAaron Mooreらと実験的なジャズ・トリオGospel Of Marsでも活動していました。最近になってBob Jonesについて検索していた時に、P.E.の存在を知ったのであります。

 

P.E. / Person

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サックス、ベース、ヴォーカルに絡むパーカッシブなデジタルビートとカオスティックに鳴り響くシンセでサウンド全体を構築。インダストリアル、パンク、エレクトロニック、ディスコ、アヴァン・ギャルドなどの要素を取り入れて、アクティブに様々なことを試みてくる。それにより、時代を超越したノーウェイヴ的な雰囲気を醸し出しています。

 

アルバムタイトル「Person」は、人を構成する様々な感情を表しているとのこと。それらをポジティブに捉えて行こうとしています。貴方の心が壊れていたとしても“We dance to forget our heads”とVeronica Torresが歌っています。ストイックに淡々と歌い上げるVeronica TorresのヴォーカルはP.E.にとって必要不可欠な存在です。ハッピーな内容のアルバムではないのですが、不思議と元気の貰える素晴らしい1枚。プロデュースとマスタリング、アートワークはEatersのJonathan Schenkeが行っています。

 

「Person」リリース後は、2020年の10月にはカセット音源「Sick, Sad, Fun」」と新曲2曲がリリースされています。「Sick, Sad, Fun」」はアルバム「Person」のアウトテイク、ライブ音源、ミックスヴァージョンを纏めたコンピレーションです。ライブバンドとしての実力も確認出来ます。今回、「Person」のレコードとのセット販売企画でこのカセット音源も一緒に購入しました。一方、新曲2曲はBandcampでのデジタル配信です。The Stoogesと Ramonesのカヴァー曲です。ライブツアーに備えてカヴァー曲を録音したとのことですが、原曲から大きく逸脱した内容にもP.E.らしさを感じます。コロナ後の彼らの動向も注目ですね。

 

 

PillのBandcamp 

 

EatersのBandcamp