ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

The Telescopes「Songs Of Love And Revolution」古典的なタイトルですが、最高傑作です!!

The Telescopes – Songs of Love and Revolution – P3DRO

1987年から活動を続けるイギリスのサイケデリック・バンドThe Telescopes。初期のころはあのCreation Recordsに所属していたこともありました。1992年のセカンド・アルバムのあとに、一旦活動を休止してしまう。その後、2000年代初めに復活した時には、Stephen Lawrieのソロ・プロジェクト的なスタイルで現在に至っています。2年振りとなる通算12作目となる新作「Songs Of Love And Revolution」がドイツのTapete Recordsよりリリースされました。

 

The Telescopes / Songs Of Love And Revolution

最初にこのアルバムを知った時、何この60年代、70年代のような古典的なタイトルの付け方は?と思ってしまった(笑) The Telescopesのこの10年位は、何台ものギターを重ね合わせたドローン・サウンドを中心に展開していた。本作はこれまでとは違っていて、ドラム、ベースのリズム隊がしっかりと土台構築した中で、轟音ノイズギターを掻き鳴らしている。そこにStephen Lawrieの呪文のように呟くヴォーカルが不気味に絡んでいます。よりシンプルで攻撃的なサイケデリックサウンドです。原点に戻ったというよりは、進化してガレージ的な雰囲気をも兼ね備えた感じであります。

 

冒頭の「This Is Not a Dream」、2曲目の「Strange Waves」は、このアルバムを象徴とするノイズギターが炸裂した曲を収録。この2曲でガツンとやられてしまった。その他、Stephen Lawrieの幻想的なドローン・ヴォイスを中心とした曲「Mesmerized」では新たな展開を模索し、ラスト曲「Haul Away The Anchor」はコロナで亡くなった義父に対するレクイエムなど聴きどころ満載。さらに、「Come Bring Your Love」や「You're Never Alone With Despair」といった曲名からはStephen Lawrie流の愛情や優しさも感じます。コロナ渦で疲弊しきった人々にはLove and Revolutionが必要であることを改めて確認してくれる1枚。The Telescopesの最高傑作と言ってもいいでしょう!!

 

 

2012年2月の初来日がキャンセルになっているので、早く日本での来日ライブを実現して欲しいなと思います。

 

 The Telescopesについては、7年前にこんな記事も書いていました。