ベルギーのアヴァン・ギャルドなフォークを奏でる鬼才Antoine Loyerの今年6月にリリースされた5作目となる新作 “Talamanca” を紹介します。2021年の前作 ”Sauce chien et la guitare au poireau” と同じくブリュッセルの合唱隊Megalodons Maladesとの共作です。この前作がフランスのサイケ・バンドBégayerとのスプリット・アルバムで、A面がAntoine Loyer & Megalodons maladesサイト、B面がBégayerサイトといった構成でした。両者ともにフランスのレーベルLe Sauleよりアルバムをリリースしているレーベル・メイトであるが故に成し得た企画であり、2つのバンドの魅力を巧く纏めた傑作アルバムとなった。今回はAntoine Loyer & Megalodons maladesによるフル・アルバムとなります。
Antoine Loyer & Megalodons malades / Talamanca
本作もフランスのLe Sauleからレコードでのリリースです。Antoine LoyerのヴォーカルとMegalodons maladesからの3人による女性ヴォーカル&コーラスを軸にして、ギター、リュート、コントラファゴット、ピッコロ、ハーモニウム、ロンメルポット、フラウト・トラヴェルソ、パーカッションの古楽器を含めたアンプラグド楽器が独特なアンサンブルを展開。民族音楽やクラッシックのエッセンスを取り込んだアヴァン・ギャルドなフォーク・ミュージックですが、Megalodons maladesのヴォーカル&コーラスのおかげで、愛らしくポップに聴かせてくれる。
前作同様にBégayerのLoup Ubertoが1曲Percheron frelichonを歌っています。あとベルギーの小学生と一緒に作った3曲 Demi-lune、Robin l'agriculteur d'Ellezelles、Pierre-Yves bègueは、これまで以上に幅広く聴いて欲しいといったAntoine Loyerの思いが伝わってくる。アルバムタイトルであるTalamancaは、本作が録音されたスペインから独立運動を行っているカタルーニャ州の村の名前です。様々なメッセージも含んだAntoine Loyerの世界を聴いて欲しい!
“Talamanca” には収録されていませんが、Pierre-Yves bègueのAntoine Loyerによるソロ・ヴァージョンです。子供たちの声もしっかりと反映させています。
前作 ”Sauce chien et la guitare au poireau” について書いています。